食物繊維は、野菜、果物、豆類、海藻、きのこ、全粒穀物などに含まれる成分です。「なんとなく体に良さそう」と思われがちですが、水溶性と不溶性では特徴が少し違います。
この記事では、食物繊維の種類、含まれる食品、毎日の食事で増やすコツを整理します。特定の不調を食物繊維だけで整えようとせず、食事全体のバランスとして考えることが大切です。
食物繊維とは
消化されにくい食品成分
食物繊維は、人の消化酵素では消化されにくい食品成分です。主に植物性食品に含まれ、食事のかさを増やしたり、腸内細菌のえさになったりするなど、日々の食生活の中で重要な役割があります。
水溶性と不溶性に分けられる
食物繊維は大きく、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」に分けられます。食品にはどちらか一方だけでなく、両方が含まれることもあります。
日本人は不足しやすい
厚生労働省e-ヘルスネットでは、日本人の食物繊維摂取量は不足しがちな状況として紹介されています。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の目標量として男性は年齢区分により20〜22g以上、女性は17〜18g以上が示されています。
水溶性食物繊維の特徴
水に溶けて粘りを持つ
水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、粘りを持つものがあります。海藻、果物、豆類、オートミールなどに含まれます。
含まれる食品
水溶性食物繊維を意識しやすい食品には、わかめ、昆布、めかぶ、オクラ、納豆、りんご、柑橘類、オートミール、大麦などがあります。
海藻を食事に取り入れたい人は、めかぶの栄養と食べ方も参考にしてください。
食事への取り入れ方
朝食にオートミールを使う、味噌汁にわかめを足す、納豆を加える、果物を間食にするなど、普段の食事に少し足す方法が続けやすいです。
不溶性食物繊維の特徴
水に溶けにくく、かさを増やしやすい
不溶性食物繊維は、水に溶けにくく、食事のかさを増やしやすい種類です。豆類、きのこ、野菜、全粒穀物などに含まれます。
含まれる食品
不溶性食物繊維を意識しやすい食品には、大豆、枝豆、いんげん豆、ごぼう、さつまいも、きのこ、玄米、全粒粉パン、切り干し大根などがあります。
食事への取り入れ方
白米に玄米やもち麦を混ぜる、汁物にきのこを入れる、サラダに豆を足す、煮物にごぼうや切り干し大根を使うなど、主食や副菜に組み込むと無理なく増やせます。
食物繊維を増やすコツ
主食を少し変える
白米だけでなく、玄米、もち麦、雑穀、全粒粉パン、オートミールなどを取り入れると、食物繊維を増やしやすくなります。雑穀ごはんについては、雑穀米の選び方と食べ方でも紹介しています。
豆類を足す
蒸し大豆、ひよこ豆、レンズ豆、枝豆などは、サラダ、スープ、カレー、炊き込みごはんに加えやすい食材です。缶詰や冷凍品を使うと準備の手間を減らせます。
野菜ときのこを汁物に入れる
生野菜だけで量を増やすのが難しいときは、味噌汁やスープに入れると食べやすくなります。きのこ、わかめ、根菜を組み合わせると、食物繊維を含む食材をまとめて取り入れられます。
野菜を先に食べる習慣を作りたい人は、ベジファーストの始め方も参考にしてください。
果物を丸ごと食べる
果物はジュースにするより、できるだけ丸ごと食べるほうが食物繊維を取り入れやすく、噛む満足感も得やすくなります。りんごやキウイなど、続けやすい果物を選びましょう。
増やすときの注意点
急に増やしすぎない
食物繊維を急に増やすと、お腹が張る、ガスが増える、ゆるくなるなどの変化が出ることがあります。少しずつ増やし、体調を見ながら調整しましょう。
水分も一緒にとる
NIDDKは、食物繊維を増やすときには、水やそのほかの水分もとることを案内しています。食物繊維だけ増やして水分が少ないと、かえってお腹が重く感じることがあります。
食物繊維だけでなく、水分や軽い運動も合わせて整えたい人は、食物繊維・水分・運動で整える習慣も参考になります。
治療中の人は医師に確認する
消化器の病気、腎臓病、食事制限、手術後などで食事指導を受けている人は、自己判断で食物繊維を増やす前に医師や管理栄養士に相談してください。
食物繊維を増やす一日の例
朝食
オートミールに無糖ヨーグルトと果物を合わせる、または雑穀ごはんに納豆と味噌汁を合わせると、朝から食物繊維を含む食材を取り入れやすくなります。
昼食
サラダに豆や海藻を足す、主食を全粒粉パンや雑穀ごはんにする、スープにきのこを入れるなど、外食でも選び方を少し変えるだけで増やせます。
夕食
主菜に魚や肉を選び、副菜に根菜、きのこ、海藻、豆類を組み合わせます。食物繊維だけを意識するより、たんぱく質や野菜も一緒に整えるほうが食事として続きます。
よくある質問
水溶性と不溶性はどちらを選べばいい?
どちらか一方だけを選ぶ必要はありません。海藻、豆類、野菜、きのこ、果物、全粒穀物などを組み合わせることで、自然にさまざまな食物繊維を取り入れやすくなります。
サプリで補ってもいい?
不足分を補う選択肢になることはありますが、まずは食品から増やすのが基本です。薬を飲んでいる人、治療中の人、妊娠中・授乳中の人は、サプリを使う前に医師や薬剤師に確認してください。
食物繊維を増やしてもお腹の調子が整わないときは?
水分不足、運動不足、睡眠、ストレス、薬、病気などが関係することもあります。症状が続く、痛みや出血がある、急に変化した場合は医療機関に相談してください。
まとめ:食物繊維は種類よりも食品の組み合わせが大切
食物繊維には、水溶性と不溶性があります。水溶性は海藻や果物、オートミールなど、不溶性は豆類、きのこ、野菜、全粒穀物などに含まれます。
大切なのは、どちらか一方に偏らず、いろいろな植物性食品を組み合わせることです。主食を少し変える、豆や海藻を足す、果物を丸ごと食べるなど、毎日の食事で続けやすい方法から始めましょう。
参考情報
- 厚生労働省 e-ヘルスネット|食物繊維の必要性と健康
- 厚生労働省|「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
- NIDDK|Eating, Diet, & Nutrition for Constipation
- CDC|Healthy Eating Tips
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