意外と知らないトレンチコートのパーツの役割と歴史

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春秋冬のマストなファッションアイテムといえば、コート。街では様々なコートを見かけますが、その中でもトレンチコートはエレガントな印象で、時代を超えて男女問わず愛されています。
流行によってシルエットや着丈が変わったりする中で、トレンチコート独自のパーツのデザインが変化するも多くあります。
トレンチコートは仕立てが良く1枚で着ても様になる理由は、元々軍用だったので機能を考えたディテールでパーツが最も多い為です。
今回はトレンチコートの歴史と、単なる装飾ではないパーツの機能的な役割をご紹介します。

トレンチコートの歴史

トレンチコートの原型は、レインコートから発展したものです。
1865年に設立したにバーバリーは、1881年にトレンチコートの元なるレインコートを開発しました。
撥水性に優れたリネンより安いコットンでギャバジンでレインコートを開発し、エドワード8世に愛用されて英国王室御用達となり、1901年に英国軍対ご用達の紳士服店かつデザイナーとなりました。
またアクアスキュータムは1851年に小さいな紳士服店を開店し、1853年には、抜群の防水性を持つウール服地を開発しました。ラテン語で防水という意味を持つ”アクアスキュータム”という名前がつけられました。
この2社がトレンチコートの元祖と言われており、現在でも有名です。

ヴィクトリア時代の昔のイギリスの気候は、現在と違い冬場は濃霧でとても寒かったようです。日本と違い土砂降りのような雨が降ることがなく、霧のようなしとしとした雨で、傘を広げる人があまり多くいません。
そういう気候だからこそ、機能性に優れたレインコートが1つあれば事足りました。
その後、1911年に第一次世界大戦が勃発して、寒冷な欧州での戦いに耐えれるように開発されたのがトレンチ(塹壕)での戦闘に適応できるように工夫されたのが、トレンチコートです。
当時54万人の将校が使用していたようです。

第一次世界大戦は、1914年から1918年にかけて戦われた人類史上最初の世界大戦です。
欧州では、塹壕戦が激しくなった為、軽く暖かく防水加工のコートが求められ、戦いに耐えれるように開発されたのがトレンチ(塹壕)での戦闘に適応できるように工夫されたのが、トレンチコートだったのです。

イギリスで軍服として開発されたトレンチコート。
このように、第一次世界大戦の塹壕戦で活躍したトレンチコートは、戦後レインコートとして男女問わず着られるようになりました。
戦争といえば、多くの悲劇をイメージしますが、機能やデザイン性に優れた衣服も多く生み出すことになったのです。
女性には、映画の中で女優がとてもオシャレに着こなすようになってから、浸透したようです。

パーツの種類について

それでは、早速現在でも継承されている、パーツの種類を見てみましょう。

①Epaulet エポーレット

語源は、コートやジャケットの肩にそって付けるバンド状の付属品で肩章、肩飾りの事を言います。軍服に装備品を固定するためのものにつけられていました。英国陸軍が、銃や双眼鏡、水筒を下げるためにつけたと言われています。現在では、ファッションとして、肩のラインを強調するので、マニッシュな印象を与えます。

②Gun Pat ガンパッチ

ライフルを発砲するときの衝撃を吸収して体を守る為に取り付けられました。
現在は、風よけや、雨の日に水がコートの中に入るのを防ぐことに役立っています。
デザインとしては片側に付けられています。

③Cuff Straps カフ・ストラップ

袖口から入ってしまう雨水を遮断したり、寒風の侵入も防いでくれたり、腕を動かしても袖がまくれないようになっている。現在はまくることで柄を見せたりファッションスタイルとしても機能してくれます。

④Throat Latch スロートラッチ

ベーシックな本格的なトレンチコートの襟裏に取り付けられてる小さなベルトは、カフ・ストラップと同様に、雨水の侵入を防ぎます。チン・ウォーマーとも呼ばれます。

⑤D-Ring Dリング

アルファベットのDの形をした留め具。第一次世界大戦時に、軍事用品や弾薬を下げてるために使われていました。

Umbrella York アンバーヨーク

ヨークの語源は、服の切り替えの事を言います。雨が当たる背中上部のケープ状のヨークが、背中から雨が流れ落ちやすくし、防水の役割を果たしています。

トレンチコートを知ってファッションを楽しもう

いかがでしたか?腰ベルトは知っていても、エポーレット、ガンフラップという言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。
このように男性用として作られた軍用の服とは思えないほど、女性の方が多く着ている印象があります。今では裾が広がったものもあり、パーツを生かしたデザイン性でより女性らしいものもデザインされ、それはどのコートよりも多いパーツをもつトレンチコートの成せる技です。
現在はデザイン上のものとして認識されているパーツも、実は歴史があり、優れた機能とデザインを同時に併せ持っているのも魅力のひとつです。トレンチコートのことが少し詳しくなると、さらに魅力的に感じてトレンチコートの季節を楽しみましょう。

投稿者プロフィール

Lily
Lily
古くから伝わるものからトレンドまで幅広く情報をリサーチしています。ビューティーアドバイザーの経験を持ち、企業にてデザインやライティングを経験。コスメ、ファッション、グルメ、音楽、映画、芸術などに興味がありナチュラルライフを目指しています。いくつになっても美しくいたいのは世界共通。女性が頑張りすぎず、自分らしく心地良く輝くための記事を発信していきます。
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